この工程は何をするのか
IT パスポート試験シラバス Ver.6.5 の「22. システム化計画」の定義。
システム化計画では,対象業務を分析して情報システム戦略に基づいてシステム化構想及びシステム化基本方針を立案し,各システムの開発順序,概算コスト,効果などシステム化の全体像を明らかにすること
同じ項の用語例は次のとおり。
スケジュール,体制,リスク分析,費用対効果,適用範囲,企画プロセス
まだ「何を作るか」は決めない。「どこから手を付けるか」「いくらかけるか」「誰がやるか」という全体像を決める工程で、個々の要件は次の工程(業務要件定義)で詰める。
順番を間違えやすいので念を押すと、この工程は要件定義より前にある。「まず要件を全部洗い出してから計画を立てる」のではなく、先に範囲と優先順位を切ってから、その範囲の要件を定義する。
具体的な成果物
| 成果物 | 中身 |
|---|---|
| システム化構想・システム化基本方針 | 何のためにやるのか、どういう方針で進めるのか |
| 各システムの開発順序 | どれを先に作るか。全部同時にはできない |
| 概算コストと効果の見積り | いくらかかって、いくら得られるか(費用対効果) |
つまずきやすいところ
「全部やる」という計画は計画ではない。 開発順序を決めるということは、何かを後回しにすると決めることでもある。ここで優先順位を付けずに進めると、全工程が終盤で同時に破綻する。
効果を金額で言えないと、あとで打ち切られる。 「便利になる」は効果の記述ではない。何時間減るのか、何人分なのかまで落とす必要がある。
AI に任せられる範囲
現時点では、この図書館に根拠となる記述がない。
ai_leverage を low にしているのはそのためで、「AI では不可能」という意味ではない。この図書館が扱っている Claude Code / Codex / Gemini CLI の仕様は、コードを扱う作業についてのもので、費用対効果の算定や体制の決定を扱った記述が無い。裏付けの無い工程で「AI に任せられる」とは書かない規則にしている(docs/schema.md)。
事例カタログには企業が AI 導入をどう計画し、どう展開したかの記録があるが(cases/ai-activation-catalog.md)、それは人がAI導入を計画した話であって、AI が計画を立てた話ではない。裏付けとしては使えないので covers に挙げていない。
まだ人がやること
この工程は全部が人の仕事になる。特に次の3つは、性質上ここから外れない。
やらないことを決めること。 開発順序を決めるのは技術的な最適化ではなく、どの部署の要望を後に回すかという判断で、その責任を負えるのは人だけである。
金額を約束すること。 概算コストは経営判断の材料になる。外した場合に説明するのも人になる。
体制を組むこと。 誰をどれだけ充てるかは、その人たちの他の仕事との兼ね合いで決まる。