この工程は何をするのか
IT パスポート試験シラバス Ver.6.5 の「25. システム開発技術」の定義。
⑤ 導入・受入れ ・取得者(委託側)は,供給者(受託側)の支援を受けながら,意図した運用環境でシステムを使用し,システムが意図した用途を達成しているかを確認すること ・取得者(委託側)による受入れテストで問題がなければ,システムの納入が行われること ・運用者,利用者及びその他の利害関係者への教育訓練が行われること 用語例 利用者マニュアル,受入れテスト,妥当性確認テスト,移行
主語が変わる工程。 ここまでは作る側が確かめてきたが、受入れテストは取得者(委託側)が行う。発注した側が「頼んだものになっているか」を自分で確かめる。
「妥当性確認テスト」は、作ったものが仕様どおりか(検証)ではなく、そもそも目的を果たすかを確かめるという意味。仕様どおりでも役に立たないことがある。
教育訓練が工程に含まれている点も見落としやすい。渡して終わりではない。
具体的な成果物
| 成果物 | 中身 |
|---|---|
| 受入れテストの結果 | 委託側が実環境で確かめた記録 |
| 利用者マニュアル | 使う人が読むもの |
| 教育訓練の実施記録 | 運用者・利用者・その他の利害関係者に対して行ったもの |
つまずきやすいところ
使う人が受け入れていないと、動いていても使われない。 事例カタログの船井総研グループの例では、現場からこういう声が出ている(cases/ai-activation-catalog.md)。
「タブレット入力が二度手間になる」「管理されるようで嫌だ」
同社の対応は、リアルタイムで修正を出し続けることと、作業員一人ひとりにヒアリングを重ねて「不安や懸念に隠れている要望」を見つけ出すことだった。受入れの段階で出た抵抗は、機能の不足ではなく納得の不足であることがある。
教育訓練を「マニュアルを配る」で済ませる。 シラバスは利用者だけでなく運用者やその他の利害関係者も対象に挙げている。障害時に誰が何をするかを知らないまま本番に入ると、最初の障害で止まる。
AI に任せられる範囲
現時点では、この図書館に根拠となる記述がない。
マニュアル作成や研修資料の作成は AI が得意そうに見えるが、この図書館が扱う3つのツールの仕様に、その用途を述べた記述が無い。裏付けの無い工程で「AI に任せられる」とは書かない規則にしている(docs/schema.md)。
事例カタログは covers に挙げているが、これはつまずきやすいところの根拠として引いているもので、AI が導入作業を代行した記録ではない。そのため ai_leverage は low のままにしている。
まだ人がやること
受け入れると判断すること。 シラバスが定義するとおり、受入れテストの主体は取得者(委託側)である。合格と言えるのは、その業務に責任を持つ人だけになる。
納得してもらうこと。 「管理されるようで嫌だ」への対応は、一人ひとりへのヒアリングだった。相手の懸念を引き出す作業は人が担う。
運用に引き継ぐこと。 誰がどの障害に対応するかの取り決めは、組織の話であってシステムの話ではない。