この工程は何をするのか
全工程にまたがる。IT パスポート試験シラバス Ver.6.5 の「27. プロジェクトマネジメント」の定義。
② プロジェクトマネジメントのプロセス ・プロジェクトを立ち上げ,計画に基づいてプロジェクトを進め,レビューなどを通じて進捗,コスト,品質及び資源を管理し,目標を達成する流れであること
用語例に道具立てが並ぶ。
プロジェクト憲章,プロジェクトスコープマネジメント,プロジェクトコミュニケーションマネジメント,プロジェクトリスクマネジメント,プロジェクトマネージャ,プロジェクトメンバー,ステークホルダ,WBS(Work Breakdown Structure),アローダイアグラム,ガントチャート,リスクの対応策(回避,軽減,受容,転嫁)
管理する対象は4つ(進捗・コスト・品質・資源)と明示されている。どれか1つだけを見ていると他が崩れる。
リスクの対応策
用語例の4つは、覚えるだけでなく実際に選ぶことになる。
| 対応策 | 意味 |
|---|---|
| 回避 | リスクのある選択肢を採らない |
| 軽減 | 起きる確率か影響を小さくする |
| 受容 | 起きたら受け入れると決めておく |
| 転嫁 | 保険や委託で他者に移す |
「受容」も対応策である点が見落とされやすい。すべてに手を打つ必要はなく、手を打たないと決めることも管理のうちになる。
具体的な成果物
| 成果物 | 中身 |
|---|---|
| プロジェクト憲章 | 何のためのプロジェクトで、誰に権限があるか |
| WBS とスケジュール | 作業を分解したものと、その順序・期日 |
| 進捗・コスト・品質・資源の管理記録 | 計画と実績の差 |
つまずきやすいところ
AI で速くなった分を、そのまま前倒しの前提にする。 実装工程は確かに縮むが、要件定義や受入れは人の合意に律速される。実装だけを基準に計画すると、前後が詰まる。
広め方を計画に入れない。 事例カタログの船井総研グループは4か月で全社導入し、利用が定着した理由として「Gmail / ドライブ / Meet / Chat といった日常的に使うアプリとの連携が容易」「成功事例を積極的に共有する社内文化」などを挙げている(cases/ai-activation-catalog.md)。導入は配ることではなく、使われるまでを含む。
AI に任せられる範囲
現時点では、この図書館に根拠となる記述がない。
この図書館が扱う3つのツールの仕様は、コードを扱う作業についてのもので、進捗管理やリスク管理を扱った記述が無い。裏付けの無い工程で「AI に任せられる」とは書かない規則にしている(docs/schema.md)。
事例カタログを covers に挙げているのはつまずきやすいところの根拠としてで、AI がプロジェクトを管理した記録ではない。そのため ai_leverage は low にしている。
なお事例カタログには、AI 導入プロジェクトを人がどう進めたかの記録がある(4か月での全社導入、ガバナンスの敷き方、定着した理由)。この工程を実際に回すときの参考にはなるので、目を通す価値はある。
まだ人がやること
期日を約束すること。 見積りの根拠を説明し、外れたときに調整するのは人の役割になる。
人を配ること。 シラバスの活用例に「業務における最適な人的資源の配置」が挙がっている。誰に何をさせるかは、その人の状況を知らないと決められない。
リスクをどう扱うか選ぶこと。 回避・軽減・受容・転嫁のどれを採るかは、組織がどこまで損失を許容できるかの判断になる。