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業務改善ツールの内製

職種・業務別 / internal-tools

1 か月前 · 2026-08-16実名事例 3 件

この図書館の中で、最も具体的な実名事例が揃っている領域。 進め方・ガバナンス・数字・つまずいた点まで公開されている。

LIXIL — 現場に作らせる型(確度A)

Google Workspace 公式事例。推進は Digital 部門(三浦葵氏、稲木柚香氏)。

広げ方の順序

時期内容
2021年春Digital 部門内の事務スタッフで試験運用
2021年6月ワクチン職域接種の予約アプリを開発して実績を作る
その後社内有志**約250名を「チャンピオン」**と命名し、開発・テスト・普及を担当させる
同時期役員全員に「夏休みの宿題」として自分でアプリを開発させた

いきなり全社に配っていない。 事務スタッフ → 実績になるアプリ1本 → 有志250名 → 全社、と段を踏んでいる。「役員に宿題」は経営層の理解を得る方法としてそのまま真似できる。

ガバナンス — ここが最も参考になる

野放しにせず、3つの仕掛けを入れている。

  1. 機能制限 — 「複雑な機能についてはあらかじめ使えないようにしました」。リスクのある機能を最初から触れなくする
  2. 開発は自由、本番運用は申請制 — 誰でも作ってよいが、本番で使うには Digital 部門への申請と審査が要る。通ったものだけが「オフィシャルアプリ」として本番環境に入る
  3. 年1回の棚卸し — 利用実績のないアプリを削除する(2024年は約10%を削除)

数字

チャンピオン250名の時点アプリ 500点以上
全社展開後 わずか3か月10,000点超
うちオフィシャルアプリ3,000点超

10,000点のうち本番は3,000点。 7割は作られたが本番に上がっていない。これは失敗ではなく、上の仕掛け2が効いている状態と読める。

つまずいた点

  • 導入初期は「参考になる教材がほとんどなく、AppSheet も英語ベースだったため、かなり不安があった」
  • 大規模展開時に「これを管理しきれるのか不安」
  • 開発者の異動・退職によるブラックボックス化 ← 内製化の宿命的な問題

船井総研グループ — 顧客先で作る型(確度A)

事例カタログに深掘り済み(cases/ai-activation-catalog.md)。熊谷俊作氏(DX支援本部)は、製造業の顧客で工場に朝から晩まで張り付いて現場を観察し、見つけた要望をその場で Gemini に伝え、生成されたコードを即座にアプリに反映した。

従来なら数か月かかるような開発がその場で実現

結果、顧客の8割がアプリを活用。ただし現場からは抵抗も出ている。

「タブレット入力が二度手間になる」「管理されるようで嫌だ」

対応は、リアルタイムで修正を出し続けることと、作業員一人ひとりにヒアリングを重ねて「不安や懸念に隠れている要望」を見つけ出すこと。

コープさっぽろ / 吉本興業 — 未深掘り(確度A の一覧に記載)

  • コープさっぽろ — AppSheet で現場職員が開発者に
  • 吉本興業/FANY — 「野良GAS」の解消。散らかった自動化をどう整理したか

どちらも個別事例ページがあるはずだが未着手。吉本興業の「野良GAS の解消」は、LIXIL のつまずき(ブラックボックス化)の続きにあたるので、掘る価値が高い。

どの工程に効くか

この職種は、全体地図のほぼ全工程を一人で回すことになる。

工程この仕事での中身
業務要件定義現場を見て、隠れた要望を引き出す(船井総研の型)
プログラミング作る。AI に最も任せられる工程
導入・受入れ使ってもらう。抵抗への対応がここ
保守作った人が居なくなった後どうするか

工程が分業されていないのがこの職種の特徴で、だからこそ要件定義と受入れを飛ばして「作る」だけに集中してしまいやすい。LIXIL の申請制も船井総研のヒアリングも、飛ばしがちな前後の工程に手を入れている。

AI にどこまで任せるかの線引き

現場の人がツールを作るとき、いちばん危ないのは触ってはいけない場所を触ることになる。Claude Code の permission mode は確認の頻度を段階で切り替えられる(facts/claude-code/permission-modes.md)。

  • 書き慣れた場所は acceptEdits、触ったことのない場所は default
  • モードを緩めても、deny ルールと明示的な ask ルールはすべてのモードで適用される

さらに sandboxing は OS レベルでファイルシステムとネットワークの境界を強制する(facts/claude-code/sandboxing.md)。LIXIL がやった「複雑な機能をあらかじめ使えないようにする」を、コードを書く側でやるならこれにあたる。

この分野で分かっていないこと

  • ブラックボックス化への解答が無い。 LIXIL が課題として挙げているが、どう解決したかは公開されていない
  • 10,000点のアプリのうち本番に上がらなかった7,000点が何だったのかの分析が無い
  • コープさっぽろ・吉本興業は未深掘り

この仕事の手順

この仕事が関わる工程

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