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会計事務所・士業

職種・業務別 / accounting

1 か月前 · 2026-08-16実名事例 2 件出典の弱い記述 4 件

実名で確認できた事例

この分野は実名事例が極端に少ない。顧問先情報の秘匿性が高く、事務所が具体的に公表しにくいためと思われる。以下は名前と出典を辿れるもの。

大野修平氏(セブンセンス税理士法人 ディレクター)— 確度B

会計専門メディア KaikeiZine のインタビュー(https://kaikeizine.jp/article/58417/)。この図書館が扱うツールと会計事務所が直接交わる、現時点で唯一の実名事例。

Claude Code についての発言。

会計事務所の業務でも、「ちょっとした集計を自動化したい」「定型的な処理をスクリプトにしたい」というニーズは意外と多く、こういった領域でかなり手応えを感じている

生成AI 全般では次の業務に使っているとある。

  • 文章作成(定型メール、議事録など)
  • 文章要約(長い資料の要点整理)
  • 財務デューデリジェンス(資料の読み込み・要約、数値整合性チェック、レポートドラフト作成)
  • 企業価値算定

これまで担当者の経験と時間に大きく依存していた工程が、生成AIによって大きく効率化されつつあります

このインタビューには時間削減の数字が一切出てこない。 後述する匿名記事が軒並み派手な数字を出しているのと対照的で、そこが信頼できる根拠になっている。

同氏の著書『これならできる!税理士のための生成AI活用アイディア23選』(第一法規、2026年3月)は、活用を「課題の発見・設定」「思考・探索」「決定・選択」「実行・具現化」「振り返り・改善」の5段階に整理し、プロンプトの具体例を載せている。初出は月刊『税理』69巻5号(2026年4月臨時増刊号、ぎょうせい)。

マネーフォワード公式の整理 — 確度B

事例カタログに記録済み(cases/ai-activation-catalog.md)。

AI-OCR による証憑の自動データ化+自動仕訳と、生成AIによる税法リサーチ・文書起案を組み合わせることで、1クライアントあたりの月次処理コア工程を約20分に圧縮する段階

対象工程を「月次処理コア工程」に限定している点でまともな粒度。全業務が20分になるという話ではない。

鵜呑みにしてはいけない数字

検索すると次のような数字が大量に出てくる。いずれも出典が匿名か、AI導入支援を売る会社の記事である。

  • 「ある税理士は月次20時間→2時間」
  • 「記帳代行を1/10に」
  • 「業務時間90%削減」
  • 「スタッフ0人で顧問先60社を1人で対応」

最後のものは具体的で目を引くが、確認できたのは導入支援ベンダーのブログ記事にその記述があることだけで、本人や事務所の一次発信には辿り着けなかった。

判断の目安として、全体像で見た帝国データバンクの調査(10,312社)では、生成AI を活用している企業のうち効果が出ていると答えたのは 86.7% だが、その調査に「90%削減」のような数字は一切出てこない。桁の大きい削減率を出す記事ほど、出典が弱い。

どの工程に効くか

会計事務所の仕事を全体地図に当てると、効くのは主に3つ。

工程この仕事での中身
業務要件定義顧問先の業務を聞き取り、何を自動化するか決める
プログラミング集計やチェックのスクリプトを作る(大野氏の言う「定型的な処理をスクリプトにしたい」)
保守制度改正のたびに直し続ける

保守が重いのがこの分野の特徴になる。税制は毎年変わるので、一度作ったものが翌年そのまま使えることはない。

具体的にどう使うか

大野氏の使い方は「スクリプトにする」なので、claude -p の非対話実行が直接効く(facts/claude-code/headless.md)。スクリプトや CI/CD から呼ぶことを想定した仕組みで、毎月の定型処理を人が起動しない形にできる。

ただし注意が要る。顧問先データを扱うため、情報セキュリティの巻で扱っている境界設定が前提になる。特に実践レシピ practices/protect-secret-files.md が示す3つの穴(読めなくても書き込めてしまう、Python 経由は素通り、広い deny が狭い allow を打ち消す)は、顧問先の証憑を置いたディレクトリで踏むと影響が大きい。

この分野で分かっていないこと

  • 失敗事例が一つも見つからない。 公表されるのは成功だけなので、どこで詰まるかの情報が無い
  • 実名事例が2件しかない。 他分野と比べても極端に少なく、真似できる型が確立していない
  • 大野氏の事例も、具体的にどのスクリプトをどう書いたかまでは公開されていない
  • 帝国データバンクの調査は業種を「サービス」等の大分類で見ており、会計事務所単位の活用率は不明

この分野は他所の真似ができない。 事例が無いので、自分で試して記録するしかない。使って分かったことは notes/ に書き足していく想定になっている。

この仕事の手順

  • 証憑を仕訳にする

    領収書・請求書を受け取ってから仕訳として登録するまでを、誰が何を確認する形で回すか決める

この仕事が関わる工程

この巻が根拠にしているページ