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最初の30日で何をするか

業務のデジタル化手順 /全体像 — 日本企業は生成AIを何に使っているか

1 か月前 · 2026-08-16

職種を問わず、導入の最初の1か月で決めることを順に片づける。製品選定から始めない

工程

  1. 世の中が何に使っているかを知る確度 A

    自社の思い込みではなく、実際に使われている用途から入る

  2. 自分の業務から 1 つだけ選ぶ確度 B人が見る

    全社展開の計画を立てない。実績になるものを 1 つ通す

    この工程で使える製品は、この図書館ではまだ確認できていません。

  3. 費用の上限を決める確度 A

    無料で試せる範囲を確かめ、超えたときにどうするかを先に決める

    この工程で使える製品は、この図書館ではまだ確認できていません。

  4. 人が見る工程を決める確度 A人が見る

    どこで誰が何を確認するか。ここが決まらない業務は自動化しない

    この工程で使える製品は、この図書館ではまだ確認できていません。

  5. 1 か月動かして数える確度 C人が見る

    感想ではなく数字で判断する。何を数えるかは始める前に決める

    この工程で使える製品は、この図書館ではまだ確認できていません。

  6. 広げるか、やめるかを決める確度 C人が見る

    続ける前提にしない。やめる判断も成果として扱う

    この工程で使える製品は、この図書館ではまだ確認できていません。

この手順は「製品を選ばない」ことから始まる

導入相談はたいてい「どのツールがいいですか」から始まります。この手順では、製品を選ぶのは 30 日目です。

理由は単純で、選ぶ材料が最初は無いからです。何に使うか、月に何件流すか、誰が確認するか——これが決まっていないと、どの製品が合うかは決まりません。

世の中は何に使っているか(工程 1)

帝国データバンクの調査(10,312 社、AI を売る立場ではない)の数字です。

生成AI を活用している企業34.5%
用途 1 位: 文章の作成・要約45.1%
用途: コード生成5.9%

この図書館が扱っている 3 ツール(Claude Code / Codex / Gemini CLI)は、5.9% 側の道具です。

図書館としては不都合な数字ですが、隠す理由がありません。日本企業で実際に起きているのは、圧倒的に文章仕事の話です。

だから最初の 1 つを選ぶとき(工程 2)、エンジニアがいない組織なら、コードから入らないほうが確率が高いということになります。

1 つだけ選ぶ(工程 2)

全社の活用計画を立てないでください。選ぶのは 1 業務です。

選ぶ基準は 3 つです。

  1. 毎月あるもの。 年 1 回の業務で試しても、効果が分かるのが 1 年後になります
  2. 間違えても取り返せるもの。 顧客に出す前に自分で確認できる工程から
  3. 今かかっている時間が測れるもの。 工程 5 で比較する対象が要ります

LIXIL が最初にワクチン職域接種の予約アプリを 1 本作ったのは、この形です(現場の要望をアプリにする)。説明会ではなく、動くものを 1 つ。

職種別の入口はこちらです。

費用の上限を決める(工程 3)

詳細は 費用の上限を先に決めるにあります。30 日の範囲で押さえるのは 3 点です。

  1. 無料で試せる範囲を使い切る。 Gemini CLI は Google アカウントでログインすると 1 日 1,000 リクエスト
  2. 契約済みのプランが対象か確認する。 Google AI Plus、Workspace AI Standard / Plus はサポートされません。「契約しているから使えるはず」が通らない典型
  3. 見積もりは存在しない。 出典自身が「プロンプト長だけでは見積もれない」と書いています。実測しかありません

人が見る工程を決める(工程 4)

この手順書の全巻に共通する、いちばん重要な工程です。

この図書館の playbooks は、スキーマの段階で**「人が見る工程が 1 つも無い手順は書けない」**ようにしてあります。それくらい、ここが抜けた導入が多いという判断です。

決めることは 3 つです。

  • どの工程で見るか(全部ではなく、どこか)
  • 誰が見るか(「担当者が確認」は確認になりません)
  • 何を見るか(金額なのか、日付なのか、言い回しなのか)

3 つ目が決まっていないと、確認は形だけになります。 目の前を通り過ぎるものを全部見るのは、人には無理です。

そして、確信度が高いのに間違っている件は、確認の条件を決めただけでは見つかりません。 一定割合を無作為に抜いて見る枠を作ってください(紙の書類をデータにするの工程 4)。

1 か月動かして数える(工程 5)

何を数えるかを、始める前に決めます。 後から決めると、都合のいい数字が選ばれます。

数えられるものの例です。

  • 処理した件数
  • 人が直した件数(ここが本体)
  • かかった時間(前と比べられる形で)
  • 費用

「人が直した件数」を数えていない導入報告は、成果を測っていません。 何件処理したかは、何件正しかったかを意味しません。

やめる判断も成果(工程 6)

30 日やって、合わなければやめてください。やめた記録は、次の判断に使えます。

  • どの工程で詰まったか
  • 何が想定と違ったか
  • 別の業務なら成立しそうか

続けることを前提にすると、この記録が残りません。 そして次の人が同じところで詰まります。

この手順で分かっていないこと

  • 30 日という区切りに根拠はありません。 「1 か月で判断する」という公開されたフレームワークに基づいたものではなく、この図書館が調べた事例(LIXIL の段階展開、船井総研の 50名→150名→全社を 4 か月)から逆算した目安です。確度 C を付けている工程がそれに当たります
  • 事務・非開発用途のコスト実績が、どの出典にも無い。 相場として書けるのは開発者の数字だけ
  • 失敗した導入の記録がほとんど公開されていない。 「やめた」事例が集まらないので、工程 6 の判断基準を書けない
  • 34.5% という活用率の内訳(どの職種・規模で使われているか)を、この図書館ではまだ整理できていない

この手順が跨ぐ工程

この手順が根拠にしているページ